1.イチジク型-備長窯のかたち
紀州備長炭を焼きあげる窯は「備長窯」と呼ばれ独特なかたちをしている。下図のとおり上から見ると「イチジク型」をしている。
2.何でつくるか(側壁)
紀州の山にある赤土は耐火性と粘土質を備え炭窯を築くには良質な土。昔はこの「赤土」と「石」で窯を積み上げていった。最近は石の代わりに「瓦」や「レンガ」を積み上げる場合もある。
3.天井
備長窯の天井は石などを用いず土のみでつくられる。上述通り粘土質の赤土が豊富にあるためその赤土で天井を置き何日も木で叩き締める。最近は赤土にセメントを混ぜ短時間で天井を置くことがある。
4.床、煙道、大師穴など
備長窯の基本的なかたちはあるものの炭焼きひとりひとりで築き方が違いそれによって窯のクセもあるというのが実際のところ。「床(とこ)」とは窯内部の床部分であるがここに微妙な傾斜をつけたり、後方の煙道に工夫を凝らしたりと人様々。窯の奥にある煙の排出口の部分を「大師穴」と呼ぶのはまさに弘法大師が伝えたという名残か。営々と伝承されてきた窯自体の製法も基本を違えることなく、それでいて炭焼き各自一工夫を加えつつ今に繋がってきている。
*備長炭窯を真上から見た平面図-イチジク型
*窯のサイズは20-25俵程度の大きさ
*最近の窯は大型化しており40俵以上の窯も多い
*紀州備長炭では1俵=15㎏
【備長炭窯を瓦で積み上げた画像】
窯口をレンガ積み
窯口を窯内部から
瓦で積み上げ
側壁を瓦で積み上げ
内壁に赤土を塗る
内壁塗り上げ
天井に赤土を置く